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歴史に忘れ去られた青春よ、目覚めよ。語れ。 国や主義や民族を越えた遥かにかけがえのない友垣への道すじを。百年前の日本人留学生村田君の土耳古滞在記。 町中に響くエザン(祈り)。軽羅をまとう美しい婦人の群れ。異国の若者達が囲む食卓での語らい。虚をつく鸚鵡の叫び。古代への夢と憧れ。羅馬硝子を掘り当てた高ぶり。守り神同士の勢力争い ―スランブールでの村田の日々は、懐かしくも甘美な青春の光であった。 共に過ごした友の、国と国とが戦いを始める、その時までは…。 □ エフェンディ=主に学問をおさめた人物に対する一種の敬称。 タイトルからもわかるように、中身は村田という人物の土耳古のスタンブール滞在記となっています。 終盤で綿貫が登場して、『家守綺譚』と同じ時代のことなのだと知りました。 だけど緑あふれていた『家守綺譚』とは違って、こちらのイメージは乾いた町。 とある縁からトルコに留学することになった村田。 下宿先の主人が拾ってきた鸚鵡に翻弄されたり、遺跡調査に足を運んだり、出会った日本人にお稲荷さんのお守りをもらったら暴れだしたり。 一見観光案内のように見えて、ところどころで不思議な要素をはらみつつ、留学先での村田の日々が描かれます。 宗教とか、国とか、そういったものの違いに感心したりすれ違ったり。 そんなもんで、序盤では本当にただの旅行記を読むような気分で読んでいたんですが、実際のところはそんな簡単なものではなかったですねー やや退屈ではあったんですが、中盤以降から一気に物語が動き始めます。 やがて大学からの償還で日本に帰ることになる村田。 だけど彼が滞在していたその土地は戦争へと突入していく。 そして数年後に彼のもとに届く手紙に記された、彼が出会った異国の友人たちの行方に、なんとも言えない気分になりました。 「友よ」に泣きそうになった。 借りた図書館ではYAのところにあったけど、大人が読んでも面白いと思います。 前半退屈に感じるかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでほしい作品です。 村田エフェンディ滞土録 著:梨木香歩 出版:角川書店 発行:H16/04/30 本体価格:1400 P220 ISBN:4-04-873513-6 |
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